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新型コロナで所得税調査減少も1件当たりの追徴税額は増加

2020/12/01

 国税庁はこのほど、令和元事務年度における所得税および消費税調査等の状況を公表した。それによると、所得税・消費税ともに新型コロナウイルス感染症の影響により調査件数は減少したが、1件当たりの追徴税額は増加している。

 所得税の実地調査の件数は、特別調査・一般調査が4万2601件(対前年比85.0%)、着眼調査が1万7082件(同72.8%)、簡易な接触の件数は37万1240件(同69.1%)で、これらの調査等の合計件数は43万923件(同70.6%)。そのうち申告漏れ等の非違があった件数は26万2877件(同70.3%)だった。

 申告漏れ所得(調査等の対象となったすべての年分の合計)金額の状況を見ると、特別調査・一般調査によるものが5068億円(同96.8%)、着眼調査によるものは572億円(同72.6%)。一方、簡易な接触による申告漏れ所得金額は2245億円(同74.4%)。調査等の合計は7885億円(同87.2%)となっている。

 実地調査による追徴税額は、特別調査・一般調査によるものが947億円(同104.9%)、着眼調査によるものは45億円(同76.3%)で、合計で992億円(同103.2%)。なお、実地調査による追徴税額を1件当たりでみると166万円となっており、前事務年度の131万円と比べて増加している。また、簡易な接触による追徴税額は233億円(同93.6%)となり、合計1195億円(同99.9%)となっている。

 1件当たりの申告漏れ所得金額が高額な上位10業種は次のとおり。
 1位「風俗業」(3373万円)、2位「経営コンサルタント」(3321万円)、3位「キャバクラ」(2873万円)、4位「太陽光発電」(1718万円)、5位「システムエンジニア」(1280万円)、6位「土木工事」(1225万円)、7位「ダンプ運送」(1212万円)、8位「タイル工事」(1197万円)、9位「冷暖房設備工事」(1187万円)、10位「清掃業」(1182万円)。

 一方、消費税(個人事業者)の調査等を見ると、実地調査の件数は、特別調査・一般調査が2万3837件(同83.6%)、着眼調査が6899件(同69.6%)、簡易な接触の件数は3万6578件(同76.8%)となり、調査等の合計件数は6万7314件(同78.2%)。そのうち申告漏れ等の非違があった件数は4万4547件(同71.6%)だった。

 追徴税額(調査等の対象となったすべての年分の合計で加算税を含む)は、特別調査・一般調査が265億円(同96.4%)、着眼調査は16億円(同69.6%)となっている。なお、実地調査による追徴税額を1件当たりでみると91万円となっており、所得税と同様、前事務年度(78万円)よりも増加している。また、簡易な接触による追徴税額は23億円(同50.0%)で、調査等合計で304億円(同88.1%)となっている。

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