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法人税改革の意識調査 賃上げは3割、設備投資は2割が実施予定

2018/02/01

 帝国データバンクはこのほど、法人税改革に対する企業の意識調査の結果を発表した(調査対象:全国2万3113社、有効回答企業数:1万168社)。

 調査結果によると、現在、政府等において議論が行われている法人税改革について、どの程度知っているが尋ねたところ、「内容を含めて知っている」企業は4.9%。「概要のみ知っている」の67.9%と合わせると72.8%となり、企業の7割超が少なくとも法人税改革の要旨を認知していることが分かった。

 また、2018年度与党税制改正大綱では、生産性向上のための設備投資や持続的な賃上げを積極的に行う企業の税負担を軽減する一方、消極的な企業に対しては一部の優遇制度(租税特別措置)を見直す方針が示されている。

 そこで、今回の法人税改革を受けて賃上げを実施するか尋ねたところ、「実施する(予定を含む)」と回答した企業は30.3%、「実施しない(予定を含む)」は16.9%、「検討中」は29.5%となり、企業の約3割が賃上げの実施を考えていた。また、設備投資では、「実施する(予定を含む)」は20.3%、「実施しない(予定を含む)」は23.9%、「検討中」は27.0%となった。

 賃上げは従業員数6~100人以下の企業で3割超、設備投資は21~1000人以下の企業で2割を超える。賃上げは資本金による実施意向に差がみられるものの、設備投資は賃上げほど大きな違いが表れていない。ただし、認知度によっても実施意向に差が表れる。特に、資本金1 億円以下で「内容を含めて知っている」企業では52.5%が賃上げの実施を予定している。

 なお、法人課税制度改革で政府に求める政策は、「法人実効税率の引き下げ」が48.0%で最も高く、次いで「法人税減税」(36.1%)、「補助金や助成金の拡充」(28.2%)、「税制の簡素化」(27.7%)が続いた。他方、「法人実効税率の引き下げ」「外形標準課税の見直し」は大企業で高く、「法人事業税減税」「法人住民税減税」「法人税減税」「固定資産税の見直し」は中小企業で高かった。

 今回の法人税改革による日本経済活性化への寄与では、「寄与する」と回答した企業が28.6%、「寄与しない」が26.2%でほぼ二分された。ただし、「分からない」が45.3%と半数近くにのぼり、多くの企業で日本経済全体に与える影響について判断しきれていない様子がうかがえる。

 法人税改革に対する企業の意識調査の結果はこちら

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