相続税申告書 被相続人のマイナンバーの記載が不要に
2016/10/09
国税庁はこのほど、平成28年10月以降に提出する相続税申告書について、被相続人の個人番号(マイナンバー)の記載を不要とすることを公表した。
従来は、社会保障・税番号制度(マイナンバー制度)の導入により、平成28年1月1日以降に相続または遺贈(贈与をした者の死亡により効力を生ずる贈与を含む)により取得する財産に係る相続税の申告書には、被相続人の個人番号を記載する必要があった。
しかし、被相続人の個人番号の記載について、納税者などから、「故人から相続開始後に個人番号の提供を受けることはできないため、相続税申告書に被相続人の個人番号を記載することが困難である」、「相続開始前において、相続税の申告のために、あらかじめ個人番号の提供を受けておくことは、親族間であっても抵抗がある」といった意見があった。
こうした声を踏まえ、関係省庁と協議・検討を行った結果、被相続人の個人番号の記載等に関する困難性および生前に個人番号の提供を受けることの抵抗感や安全管理措置などに関する負担を考慮し、相続税申告書への被相続人の個人番号の記載を不要とすることとなった。
なお、被相続人の個人番号欄がある改訂前の相続税申告書の様式を使用する場合には、同欄は記載せず、空欄で提出するよう呼び掛けている。また、すでに税務署に提出した被相続人の個人番号を記載した相続税申告書については、今回の変更にともない、税務署においてマスキングする。