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相続税調査 簡易な接触1万3634件のうち非違件数は3133件

2021/12/23

 令和2事務年度における相続税の調査状況をみると、実地調査の件数は5106件(前事務年度1万635件)、このうち申告漏れなどの非違があった件数は4475件(同9072件)、非違割合は87.6%(同85.3%)だった。

 申告漏れ課税価格は1785億円(同3048億円)で、申告漏れ相続財産の金額の内訳は、「現金・預貯金等」529億円(同993億円)が最も多く、「土地」188億円(同373億円)、「有価証券」282億円(同323億円)と続いている。

 実地調査1件当たりの申告漏れ課税価格は3496万円(同28660万円)。追徴税額(加算税95億円を含む)は482億円(同681億円)。新型コロナウイルス感染症の影響により、令和2事務所年度の実地調査件数は大幅に減少したが、大口・悪質な不正が見込まれる事案を優先した調査した結果、実地調査1件当たりの追徴税額は943万円(同641万円)で、対前事務年度比147.3%と大きく増加。過去10年間で最高となった。なお、重加算税の賦課件数は719件(同1541件)、賦課割合は16.1%(同17.0%)だった。

 国税庁では、相続税の実地調査のほか、簡易な接触(文書や電話による連絡または来署依頼による面接により申告漏れ、計算誤りなどがある申告を是正するなどの接触)を実施している。令和2事務年度は1万3634件(同8632件)に簡易な接触を行い、このうち申告漏れなどの非違および回答などがあったのは3133件(同2282件)。申告漏れ課税価格は560億円(同427億円)、追徴税額は65億円(同40億円)となり、いずれも簡易な接触の事績を集計し始めた平成28事務年度以降で最高となった。

 また、国税庁では、海外取引や海外資産の保有状況の把握にも力を入れているが、海外資産関連事案に対する実地調査は551件(同1008件)。このうち申告漏れ等の非違があった件数は96件(同149件)。申告漏れ課税価格は34億円(同77億円)で、非違1件当たりの申告漏れ課税価格は3579万円(同5193万円)だった。

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