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経産省 DX投資促進税制の延長を要望

2022/09/09

 経済産業省は8月31日、令和5年度税制改正要望を取りまとめた。

 それによると、まず、「スタートアップ・エコシステムの抜本強化」を要望している。スタートアップ・エコシステムとは、大企業や大学・研究機関、公的機関などが相互に関連しながら活動することで、その中からスタートアップが次々と立ち上がり大きく成長するところが出てくるという状況が継続的に生じる仕組みのこと。

 日本のスタートアップ・エコシステムの基盤は整いつつあるものの、世界との差は大きく、特に課題となっている人材、事業、資金量、出口戦略に対応した所要の措置を講じることを求めた。また、エンジェル税制についての必要な見直しも含め、個人のリスクマネーがスタートアップ・エコシステムに循環することを促す税制措置の検討や、ストックオプション税制の利便性を向上させるために権利行使期間の延長その他の所要の措置を求めたほか、自己発行・自己保有の暗号資産については、期末時価評価(マーケット価格による評価)課税の対象外とすることを要望した。

 次に、「カーボンニュートラルへの対応とイノベーション促進のための取組」として、デジタル技術を活用したビジネスモデルの変革を促進するため、DX(デジタルトランスフォーメーション)投資促進税制を見直す。ウィズコロナ・ポストコロナに適応したデジタル投資を伴う企業変革の事例が多く創出してきたが、一方で、米国との比較や企業による自己診断によるとDXは未だに道半ばという状況であり、人材不足や設備投資のコスト面から本格的なDXに向けたシステム投資を躊躇する企業を後押しする観点から、DX投資促進税制の適用期限を2年間延長するほか、より一層効果的なDXにつながるデジタル投資を支援するための要件の見直しを図ることを求めた。

 事業切出しの手法のひとつであるスピンオフについては、段階的に事業を切り出そうとする企業などが活用できるよう、スピンオフを行う企業に持分を一部残す場合についても、スピンオフの実施を円滑化するための所要の措置を講じるとしている。

 そのほか、「中小企業・小規模事業者の設備投資・経営基盤の強化と地域経済を牽引する企業の成長促進」の項目では、中小企業投資促進税制や中小企業経営強化税制の適用期限の2年間延長を求めた。

 また、地域未来投資促進税制については、地域経済を牽引する企業の成長を促進すべく、本税制措置の適用期限を2年間延長するほか、地域企業のデジタル化促進に向けて、措置の対象となる資産にソフトウェア等を追加するとともに、戦略的な産業群の維持・強化等に資する事業に対する重点的な支援を行うことを要望した。

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