令和4事務年度の相互協議事案は301件発生
2023/11/20
国税庁では、移転価格課税等による国際的な二重課税について納税者の申立てを受けた場合、租税条約の規定に基づき外国税務当局との相互協議を実施してその解決を図っており、このほど令和4事務年度(令和4年7月~令和5年6月)の相互協議の状況を明らかにした。
それによると、発生した相互協議事案は301件(前事務年度246件)。そのうち事前確認に係るものは243件(同188件)で全体の81%を占めた。移転価格課税やその他(恒久的施設(PE)に関する事案、源泉所得税に関する事案など)に係るものは58件(同58件)だった。
令和4事務年度における相互協議の処理件数は191件(同186件)で、そのうち事前確認に係るものは146件(同130件)、移転価格課税その他に係るものは45件(同56件)。
処理事案1件当たりに要した平均的な期間は30.2カ月(同31.6カ月)。そのうち事前確認に係るものは1件当たり30.5カ月(同31.6カ月)。移転価格課税その他に係るものは1件当たり29.2カ月(同31.5カ月)だった。
なお、令和4事務年度の繰越件数は前事務年度より110件増えて742件となった。令和4事務年度末の繰越事案の相手国・地域の内訳は、アジア・大洋州が最も多く、次いで米州、欧州、アフリカとなっている。国別では米国(23%)、インド(15%)、中国(14%)、韓国(8%)、ドイツ(6%)の順となった。