インタビューInterview

関与先企業の円滑な事業承継へ 日税信託を通じて『遺言信託』を活用

2026/03/10

麻生税務会計事務所(千葉・船橋市)
麻生 直人 税理士

 20 年にわたり寄り添ってきた関与先企業の円滑な事業承継を実現するため、日税信託を通じて「遺言信託」という選択肢を提案した麻生直人税理士。日税信託を利用するに至った背景や、提案から契約締結に至るまでの一連のプロセスについて話を伺いました。

――今回、日税信託にご相談されることになった背景からお聞きします。

 20年前に金融機関からご紹介いただいた会社がございます。当時の従業員数は15人ほどでしたが、業績は安定しており、何より社長ご夫妻の人柄がとても素晴らしく、それ以来、長いお付き合いが続いています。現在、社長は会長に就任され、会長の奥様の甥が後任として社長職を務めておられます。ただ、会長ご夫妻にはお子様がいらっしゃらず、以前からご兄弟が多いと伺っていたことから、相続人が相当数に及ぶことが想定されました。現社長は相続人ではありませんので、会長ご夫婦の保有する非上場株式を円滑に承継するためにも、遺言などの事前準備が必要だと考えたことが、今回ご相談に至ったきっかけです。

――お客様から相談されたのではなく、先生ご自身がご提案されたということですね。

 はい。会長ご夫妻から直接ご相談を受けたわけではありませんが、長年のお付き合いの中で、将来に対する漠然とした不安をお持ちではないかと感じていました。現在、会長ご夫妻は77歳、現社長が43歳なので、事業承継が円滑に進むよう、私が橋渡し役として関与すべきだと判断しました。

――なぜ、日税信託にご相談いただいたのでしょうか。

 日税グループとは、お客様の不動産仲介や保険業務などで20年近くお付き合いがあり、担当者の誠実な対応や仕事ぶりに信頼を寄せていました。そうした中、日税経営情報センターがM&A業務を扱っていると知り、親族内承継についてもサポートを受けられるか相談したところ、日税信託をご紹介いただきました。その後、会長ご夫妻に日税グループの業務内容や私自身が信頼している会社であることをお伝えしたところ、「ぜひご紹介してください」とおっしゃっていただき、昨年2月に初回面談を行いました。

――初回面談の手応えはいかがでしたか。

 事前に私から遺言信託の概要をお伝えしていましたが、日税信託の担当者が改めて丁寧に説明してくれたことで、会長ご夫妻の理解が一段と深まりました。本来であれば、早めに次回の面談日を決めたかったのですが、ちょうど確定申告の時期と重なり、私もできる限り同席したいと考えていましたので、2回目の面談は5月に実施することにしました。少し間は空きましたが、その間も日税信託から会長ご夫婦に対し、必要書類の確認や検討事項のリストなどをご案内いただいていたため、安心して準備を進めることができました。2回目の面談では、担当者に戸籍の代行取得を依頼しました。

――実際に相続人は多かったのでしょうか。

 多かったですね。会長ご夫妻だけでは到底対応しきれない量だったので、外部の専門業者に依頼したのは正しい判断でした。想定外だったのは、ご兄弟がすでに亡くなられて代襲相続となるケースが複数あったことで、日税信託の担当者もかなりご苦労されたのではないかと思います。戸籍の代行取得が完了した時には、会長ご夫妻も大変安心しておりました。その後、推定相続人を確認したうえで遺言案を作成していただき、面談の場で丁寧に説明を受けました。また、公証役場での立ち合い前日に、日税信託の担当者が会長ご夫妻の会社を訪問してロールプレイングまで行っていただき本当に助かりました。

――事前にロールプレイングを行ったことで、どのような効果がありましたか。

 取得予定者だけでなく、その方が亡くなった場合の第1補充者や第2補充者まで質問が及び複雑になると、遺言者が本番で混乱してしまう可能性があります。事前に想定問答を確認しながら、「こう質問されたら、このように回答する」とポイントを整理して練習できたことは、会長ご夫妻にとって大きな安心につながったと思います。今回は相続人が多いケースだったこともあり、会長ご夫妻が自信を持って本番に臨めるよう、担当者が細やかに配慮されたのだと感じました。その翌日の10月28日、公証役場において遺言公正証書を無事に作成することができ、日税信託と遺言信託の契約が締結されました。

――初めて日税信託を利用してみて、どのような印象を持たれましたか。

 日税信託の担当者にとってはビジネスですから、早く公証役場で遺言信託を締結したいと考えても不思議ではありませんが、急かされるようなことは一切ありませんでした。日程調整も、会長ご夫妻のご都合はもちろん、私の業務状況にも配慮しながら予定を組んでくださいました。これまでも日税不動産情報センターを利用されたお客様の満足度は非常に高いのですが、日税信託も同様にきめ細やかな対応をしていただき、さすが日税グループだと感心しました。

――ほかに依頼して良かったと思う点はありますか。

 遺言信託は「遺言書の作成」と「その遺言を確実に執行すること」が一体となった仕組みです。税理士は、弁護士法や行政書士法に抵触しない範囲で税務的な助言などを行うことはできますが、遺言執行者を士業など個人が担う場合、その人の寿命や事務所体制の変化といった問題から、将来にわたり必ず執行できるとは限りません。その点、法人である日税信託に依頼することで、組織として継続性が担保され、将来にわたり安心して任せられるという大きなメリットがあります。加えて、遺言信託報酬が驚くほどリーズナブルな点も、大きな魅力といえますね。

――どのくらいの費用感なのでしょうか。

 一般的に信託銀行では最低100万円からで、財産規模によっては数千万円になることもあります。日税信託は基本的に遺言作成が30万円、執行が60万円で、消費税を含めても99万円です。この金額を税理士仲間に話すと、皆が一様に驚きますので、業界でもトップクラスの低価格ではないかと思います。

――今後もお客様に日税信託を紹介したいと思いますか。

 もちろんです。先日、別のお客様に遺言信託についてお話しした際にも、とても高い関心を示されていました。今回の会長ご夫妻は77歳で遺言信託を利用されましたが、80歳を過ぎて多くの相続人を相手に遺産分割協議を行うのは至難の業です。また、80歳を超えると認知症リスクも高まり、遺言作成自体が難しくなる可能性もあります。こうした事態を未然に防ぐためにも、遺言信託が有効だと思われるお客様には、今後も積極的にご紹介していきたいと考えています。

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