顧問料の請求書も紙から電子へ 無料のメール送信サービスに満足
2025/01/24
さくら中央税理士法人(東京・中央区)
代表社員 安田 信彦税理士
税理士協同組合の報酬自動支払制度には、便利な機能が多数ありますが、特に好評を得ているのが、税理士先生に代わって顧問料の請求書(PDF)を関与先にメールで自動送信する無料サービスです。2020年に新機能として搭載されて以来、多くの税理士事務所で利用されており、従来の「振替のお知らせ(ハガキ)」を関与先に郵送する有料サービスから切り替える事務所も相次いでいます。東京・中央区のさくら中央税理士法人でも、これまで多くの関与先に「振替のお知らせ(ハガキ)」を郵送していましたが、ほぼすべてをメール送信サービスに切り替えています。その移行の背景について、代表社員の安田信彦税理士に話を聞きました。
――「振替のお知らせ(ハガキ)」の郵送サービスから、請求書のメール送信サービスに切り替えた理由を教えてください。
私の事務所では、2003年から完全ペーパーレス化に向けて取り組んでおり、早い段階から請求書を電子化しています。そのため、日税ビジネスサービスからPDFの請求書をメールで自動送信してくれるサービスの案内が届いた時、職員に「すぐに切り替えよう」と指示しました。特に、電子帳簿保存法や電子インボイスの導入により、請求書の電子化はビジネス環境において必然の流れとなっていますが、報酬自動支払制度の請求書はインボイスにも対応していますので、その点も満足しています。
――今回の切り替えでどんなメリットを感じましたか。
請求書のメール送信サービスは無料で利用できますので、これまで負担していた郵便料金がなくなり、コスト削減を図ることができたのは一番のメリットといえます。2024年10月から郵便料金が値上げされましたが、メールの場合は、そうした値上げの心配をする必要もありません。
――利便性という点ではどうでしょうか。
郵送の場合、遅延などで到着が遅れることもありますが、メールはすぐに届きますので、お客様が顧問料の振替日まで余裕を持って金額を確認できるのは嬉しいですね。お客様に請求書のメールが届かなかった場合は、それをメールで知らせてくれる機能もありますので、安心して利用しています。また、郵送の場合、引っ越しなどでお客様の住所が変わると、その都度、登録している住所を変更しなければなりません。一方、メールアドレスを変えるというのは、よほどのことがない限りありませんので、そうした再登録の手間が省けるところもメール送信サービスの利点だと思います。
――ほかの税理士先生にも請求書のメール送信サービスをお薦めしますか。
薦めますね。ただ、それは単にハガキの郵送よりメールのほうがコスト削減や利便性の向上が図れるという理由だけではありません。これからの時代、お客様の電子化を推進することは、税理士の重要な役割だと考えているからです。税理士法でも「税理士の業務の電子化等の推進」を通じて、納税者の利便の向上などに努めることが求められています。まずは私たち税理士が率先して紙から脱却し、電子化に取り組んでいくことが重要ではないでしょうか。