令和5年度の審査請求 2873件を処理して納税者の認容割合9.7%
2024/07/03
国税不服審判所はこのほど、令和5年度における審査請求の概要を公表した。
審査請求は、税務署長や国税局長などが行った処分に不服がある場合に、その処分の取消しや変更を求めて、国税不服審判所長などに対して不服を申し立てる制度。国税不服申立制度の改正により、再調査の請求(改正前:異議申立て)を経ずに直接行うことが可能となった(再調査の請求を行った場合でも、再調査の請求についての決定(再調査決定)後の処分になお不服がある場合に行うことができる)。
令和5年度における審査請求の概要によると、審査請求の発生件数は3917件で、前年度より29.1%増加した。審査請求は、再調査の請求を経ずに直接行うことができるが、同年度において再調査の請求を経ずに「直接審査請求」を行ったのは2574件で、同年度の審査請求の発生件数に占める割合は65.7%だった。
審査請求の処理件数は、前年度から286件減少の2873件。このうち取下げは386件、却下は298件、棄却は1910件。納税者の主張が一部でも認められた件数は279件で、一部認容は139件、全部認容は140件。その割合は9.7%(一部認容4.8%、全部認容4.9%)で、前年度と比べ2.6ポイントの増加となった。
なお、国税不服審判所では、審査請求を原則1年以内に裁決するようにしており、審査請求の1年以内の処理件数割合は99.1%だった。