厚労省の31年度税制改正要望 未婚の母(父)も寡婦(夫)控除対象に
2018/09/05
厚生労働省はこのほど、平成31年度税制改正要望を公表した。
注目されるのは、平成30年度税制改正大綱の検討事項に盛り込まれ、平成31年度税制改正において「検討し、結論を得る」とされた2つの項目だ。
1つは、「婚外子家庭に対する税制上の措置」。現行の寡婦(寡夫)控除は、婚姻歴のない未婚のひとり親世帯には適用されず、婚姻によらないで生まれた子を持つひとり親に対する税制上の対応が検討事項とされていたが、平成31年度税制改正要望において「未婚のひとり親に対する税制上の支援措置」として、寡婦(夫)控除が適用される「寡婦(夫)」や市町村民税が非課税となる「寡婦(夫)」に「未婚の母(父)」を加える」ことを求めた。
なお、「子育て支援に要する費用に係る税制措置の創設」として、仕事と家庭の両立を支援する観点から、0~2歳の子どもを持つ世帯において、認可保育所への入所の希望がかなわず、やむを得ず公費の支援のない認可外保育施設等を利用する場合に、その費用の一部を税額控除の対象とする措置を講じることも盛り込んでいる。
もう1つの検討事項は、医療に係る消費税問題のあり方について。社会保険診療については、消費税が非課税とされているが、それを行うための医薬品、医療材料、設備、外部委託などについて、医療機関は消費税を支払っている。しかし、仕入税額控除ができるのは自由診療等の消費税がかかる診療に要したものだけで、社会保険診療を行うための仕入にかかった消費税は控除することができない。
平成31年度税制改正要望では、「医療に係る消費税等の税制のあり方については、医療保険制度における手当のあり方の検討等とあわせて、医療関係者、保険者等の意見、特に高額な設備投資にかかる負担が大きいとの指摘等も踏まえ、医療機関の仕入れ税額の負担及び患者等の負担に十分に配慮し、関係者の負担の公平性、透明性を確保しつつ検討を行い、平成31年度税制改正に際し、この税制上の問題の抜本的な解決に向けて、個別の医療機関等の補てんの過不足について、新たな措置を講ずる」ことを求めている。