税務行政におけるデジタル・トランスフォーメーションを公表
2021/06/14
国税庁はこのほど、「税務行政のデジタル・トランスフォーメーション-税務行政の将来像2.0-」を公表した。
行政のデジタル・トランスフォーメーションについては、昨年12月に閣議決定された「デジタル社会の実現に向けた改革の基本方針」において、その必要性が示されており、今年9月に設置されるデジタル庁の主導の下、取組みが進められる予定となっている。
すでに、国税庁では、「税務行政の将来像」(平成29年6月公表)を改定し、「デジタルを活用した、国税に関する手続や業務の在り方の抜本的な見直し」(税務行政のデジタル・トランスフォーメーション)に取り組んでいく方針を明確にしたところだ。
また、併せて、目指すべき将来像について、経済社会の変化やデジタル技術の進展等を踏まえてアップデートした。具体的には、これまでと同様、「納税者の利便性の向上」と「課税・徴収の効率化・高度化」を2本の柱としつつ、「あらゆる税務手続が税務署に行かずにできる社会」に向けた構想を示すとともに、課税・徴収におけるデータ分析の活用等の取組を更に進めていくこととしている。
今回公表された「税務行政の将来像2.0」を見ると、まず、あらゆる税務手続が税務署に行かずにできる社会(将来構想)を目指した取り組みが紹介されている。例えば、税務署に行かずにできる「確定申告(納付・還付)」(申告の簡便化)、「申請・届出」(申請等の簡便化)、「特例適用状況の確認等」(自己情報のオンライン確認)、「相談」 ①(チャットボットの充実等)、税務署に行かずにできる「相談」 ②(プッシュ型の情報配信)などの構想が紹介されている。
次に、「課税・徴収の効率化・高度化」に関する取組状況が示されている。それによると、「申告内容の自動チェック」では、マイナンバーや法人番号をキーとして、納税者から申告された内容と国税当局が保有する各種データをシステム上でマッチングし、効率的に誤りを把握する取組みを進めている。また、「AI・データ分析の活用」や「照会等のオンライン化」、「Web会議システム等の活用(リモート調査)」にも力を入れている。
最後に、「税務行政の将来像2.0」を実現するためのインフラ整備として、システム高度化と人材育成、内部事務の集約処理(センター化)についてまとめている。
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