ビルオーナーが抱える悩みは「不動産M&A」で一気に解決!
2021/06/09
㈱タクトコンサルティング顧問
本郷 尚 税理士
新型コロナの影響によるテナント撤退のほか、建物の老朽化や株式の分散化など、ビルオーナーの悩みは多岐にわたりますが、これらの問題を一気に解決する手法として注目を集めているのが「不動産M&A」です。そのスキームについて、ビルオーナーらを長年コンサルしてきた本郷尚税理士に話を聞きました。
――不動産M&Aの仕組みについて教えてください。
新型コロナの影響を受けて、中小ビルではテナントの撤退が相次いでいますが、空き店舗のほかにも、ビルオーナーは様々な問題を抱えています。駅前や商店街の中小ビルの中には老朽化したものも多く、所有者や株主の高齢化、株式の分散化などが重なり、不動産を売却したくても身動きが取れないケースも少なくありません。そこで、こうした問題の解決策として利用されているのが「不動産M&A」という手法です。これは、単に不動産を売却するのではなく、不動産を所有する会社ごと売却するというものです。
――会社ごと売却することで、どんなメリットがあるのでしょうか。
最大のメリットは税制面です。法人が不動産を単純に売却すれば、売却益に法人税等が約35%、税引き後の利益を株主に配当すれば、株主に所得税等が最高約50%の税率で課税されます。これに対して「不動産M&A」は、不動産ではなく株式の売却のため、株式売却益にかかる税金は約20%の分離課税となります。
――売却後の手取りが大きく変わってくるわけですね。
不動産を単純に10億円で売却した場合、手取りは3億2500万円です。一方、「不動産M&A」により不動産時価の70%で株式を売却したと仮定すると、その手取りは5億6000万円になります。このように「不動産M&A」を利用すればお客様は身動きが取れなくなった会社から解放されて、手にした資金で新たな未来を自由に描くことができるわけです。
――不動産を売却するよりも手続きが大変そうに思えます。
会社を売却するわけですから、不動産の売却よりも手続きは多いですが、豊富な経験がある専門の会社と連携しながら進めていけば安心です。その際、顧問の税理士さんなら内情を詳しく把握されていますので、不動産M&Aにこだわらず、お客様にとってベストな解決策を導き出してあげることが重要といえるでしょう。