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インタビューInterview

元気で明るく自信を持てば女性会計人はもっと活躍できる

2019/06/07

中島加誉子 税理士

――税理士を目指したキッカケからお聞きします。
 大学の必須科目で簿記を学びましたが、とても理解しやすく楽しかったので、これは私に向いていると思いました。その後、税理士試験の簿記論と財務諸表論に合格し、せっかくだから5 科目合格にチャレンジしようと4科目まで合格しましたが、当時、会計事務所で働きながら税理士を目指そうという考えはなく、大学卒業後は、システム会社や外資系のアパレル会社などで働きました。そして、いろいろな業界や会社を見ていく中で、経営者を専門家として支えたい、直接対面してサービスをしたいという思いが強くなり、都内の税理士法人に就職しました。

――その間、残り1科目の勉強はされていましたか。
 まったくしていません。それなのに、税理士法人の採用面接の時、代表から「今年受験するんでしょ」と言われ、条件反射で「はい」と答えてしまいました。当時、子どもがまだ1歳で、フルタイムで働きながら育児をするような状況です。平日は勉強する時間はほとんどなく、週末に時間を作って必死に勉強しました。5 月から始めたので納得できる勉強はできませんでしたが、「受験しない人に合格はない」という気持ちで挑んだところ、相続税法を一回で合格できました。受験しておいて本当に良かったと思いました。

――税理士法人にはどれくらい勤めていましたか。
 12 年ほどお世話になりました。中小企業から大きな上場会社まで担当させていただき、そのほかファンドの組成や運用支援、相続・事業承継コンサル、医業経営コンサルを任されるなど、様々な経験をさせていただきました。後半は管理職でしたのでマネジメントが中心でした。子供が大きくなってから独立を意識するようになりましたが、お客様はどのように増やすのか、一人でやっていけるのか、不安ばかりで自信が持てませんでした。しかし、その後も独立の思いは消えず、思い切って退職を決意しました。意外なことに、独立してみると心配していたことは何ひとつ起こらず、逆に思いもしなかったことばかり起きました。そのほとんどが良いことです。

――どのようなことが起きましたか。
 例えば、子どもの学校のPTAをしていましたが、一緒にPTAをしていた友達が、急に会社を継ぐことになり、そこの顧問税理士をお願いされました。同じくPTAをしていた別の友達から保険会社の支社長をしているご主人を紹介されたのですが、それ以来、いろいろと仕事に繋がるお話をいただいています。まさか“ ママ友” から仕事がくるなんて考えもしませんでした。

――関与先が増えてくると、人の採用という問題が出てきますね。
 事務所を大きくすることは、ひとつの成功パターンであり、多くの職員を抱えることでサービスの幅も広がります。しかし、それが私にとって楽しいことなのかどうか、非常に悩みましたが、最終的に出した答えは、職員を採用せずに一人で仕事をするスタイルでした。この決断は、困ったときに支えてくれる同業者の方々が周りにいなければできなかったと思います。

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