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インタビューInterview

叔母の想いをプロに託して 最適な資産管理を信託で実現

2025/01/21

中村会計事務所(大阪・東大阪市)
中村 徹氏

 独り身の叔母の資産管理の方法を考えていた中村徹税理士。ある日、㈱日税信託から商事信託の話を聞いた時、「頭の中でカチッとピースがはまった」といい、それから4カ月後、叔母の想いを叶える資産管理を実現させた。その一連の流れについて、中村税理士に話を聞いた。

――日税信託を通じて商事信託をご利用されましたが、その経緯からお聞きします。
 私の叔母が奈良県吉野郡に住んでいまして、92歳で独り身のため、いずれは施設に入ることを考えていました。ただ、本人はとても元気なので、施設を探したり実際に動き出すのは、まだ先という感じでした。とはいえ、年齢を考えると心配なことも多く、誰かが様子を見に行くようにしたほうがいいという話が出て、甥である私が4年ほど前から叔母の家を訪問するようになりました。

――中村先生のほかに甥や姪はいなかったのでしょうか。
 叔母は、妹である私の母を含めて9人兄弟ですので、甥や姪はたくさんいますが、私は小さい頃からとくに可愛がってもらってました。叔母もできれば私にこれからの面倒を見て欲しいというので、そこから定期的に顔を出すようになりました。叔母の家に行くたびに、一人暮らしは不安だから早く施設に入ったほうがいいと説得しましたが、「今年は大丈夫」「まだいける」の繰り返しで、なかなか話が前に進みませんでした。一方で、叔母の預貯金などの金銭管理を今後どうするのかという問題もあり、その点についても頭を悩ませていました。

――金銭管理の方法として、何かお考えはありましたか。
 以前から成年後見制度や家族信託に関心があり、研修会などで勉強してきましたので、叔母のケースでも、どちらかを利用することになるだろうと思っていました。しかし、それぞれのメリットやデメリットを検証しながら、叔母にとって最適な方法を考えていくうちに、どちらを選んでも納得する答えを見つけることができませんでした。

――その点について叔母様は何とおっしゃっていましたか。
 成年後見制度や家族信託は、税理士にとっても専門的で難しいのに、それを90歳の高齢者に理解してもらうのは容易なことではありません。実際、叔母の意見を聞くために家を訪ねて、これらの制度・仕組みの話をしたのですが、なかなか簡単には理解してもらえませんでした。急いで手を打たなければならないのに良策が見つからず、モヤモヤしている状態が続いていましたが、半年ほど前、関与先の不動産仲介で何度もお世話になっている㈱日税不動産情報センターの担当者が事務所を訪れて、㈱日税信託の営業も兼務することになったので挨拶に来ましたと言うのです。信託会社が扱っている商事信託はよく知らなかったので、担当者から話を聞いていると、私の頭の中でカチッとピースがはまり、「これならいけるかもしれない」と感じました。そして、「もっと詳しく話を聞きたい」と告げると、㈱日税信託で信託業務を行っている担当者に電話をしてくれて、その場で面談の日を決めました。

――面談を終えて、中村先生の直感は間違っていなかったと思われましたか。
 正解でしたね。叔母は、私にお金の管理を任せても良いと思っていたかもしれませんが、ほかの相続人からどう思われるか分かりません。思わぬところでトラブルが起きることも考えられます。商事信託の場合は、お金の管理を第三者に任せることができるので、透明性や公平性が確保できるメリットがあります。私との面談後、㈱日税信託の担当者は叔母の家でも説明してくれましたが、一方的に何かを提案することはなく、叔母の想いを何度も確認して、その想いを実現できるようにカスタマイズして信託を提案してくれました。その姿勢に、叔母もすごく信頼を寄せていたので、㈱日税信託に叔母の金銭管理を任せることに決めました。それから2か月後、叔母を委託者兼受益者、㈱日税信託を受託者、私を受益者代理人とする金銭管理信託を契約させていただきました。

――今回の金銭管理信託において良かった点を教えてください。
 もし、何も手を打たずに叔母が亡くなった場合、多くの兄弟や甥・姪が相続人になり、その中には、叔母が何十年も会ってない人や、関わりたくないという人も含まれます。そのことを叔母に告げると、それだけは嫌だと言うので、遺言書を書くように伝えました。しかし、90歳の高齢者にとって遺言書を作成したり公証役場に出向くのは負担が大きく、結局、叔母は遺言書を書かずにいました。そのことを㈱日税信託の担当者に話すと、叔母が亡くなった後に残余財産を誰に渡すか、信託で指定できると言うのです。まさか、商事信託にそんな遺言書のような機能があるとは思いもしなかったので、私も驚きました。叔母も、遺言書を書かずに自分の想い通りに財産を分けられることを知って、非常に喜んでいました。叔母が亡くなった後は信託契約が終了し、叔母の意向に沿って私を含む5人の甥・姪に残余財産が分配されることになっています。叔母の生存中の資産の管理から、亡くなった後の財産の分配まで安心して任せられるのも、商事信託の大きな魅力だと思います。

――お金の心配が一段落して、あとは施設の問題ですね。
 実は、今回の信託をキッカケに、叔母が施設に入ることを決心してくれたんです。すでに入居日も決まっていて、今住んでいる自宅についても、㈱日税不動産情報センターの担当者が売却先を見つけてくれました。

――およそ4カ月間で、問題が一気に解決できたわけですね。
 ㈱日税信託の担当者に対し、叔母が安心して仕事を任せることができたのは、非常に大きかったと思います。相談者のことを一番に考えて、最適な提案をしてくれる。まさにプロフェッショナルな仕事ですね。また、日税グループは、信託だけでなく、それに関連する様々な問題をワンストップで解決してくれますので、とても心強いです。
 今から半年ほど前、㈱日税不動産情報センターの担当者が挨拶に来た時、普段は外出が多く事務所にあまりいないのに、あの日はたまたま事務所にいたので、商事信託について話を聞くことができたわけですが、それがなかったら状況はあまり変わっていなかったかもしれません。そういうタイミングも、何かめぐり合わせのようなものを感じますね。

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