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インタビューInterview

生まれ変わった「TAINS6」 検索機能の改善、コンテンツの充実etc.

2019/02/13

一般社団法人日税連税法データベース 
会長 髙田 住男 税理士 

 税理士情報ネットワークシステム(Tax Accountant Information Network System)、略してTAINS(タインズ)が、昨年12月1日に第6世代システム「TAINS6」(タインズ・シックス)として新たにリリースされた。検索機能などが大幅に改善され、コンテンツや制度面も充実し、「税理士がつくる、税理士のためのデータベース」に生まれ変わっている。そこで、TAINS6を運営する一般社団法人日税連税法データベースの髙田住男会長に、新システムの魅力について話を聞いた。


――TAINS6はどのように進化したのでしょうか。
 新しい機能やコンテンツが加わり、従来のTAINSと比べて利便性が格段に向上しています。中でも注目していただきたいのは、検索機能の改善です。これまでも検索機能はありましたが、例えば、自由なワードで全文検索を行う「フリーワード検索」では、検索ワードが直接ヒットしなければ結果が出ませんでした。また、各情報に付されたタグのような役割の「TAINSキーワード」による詳細検索機能もありますが、そもそもTAINSキーワードの存在を知らない人も多く、知っていても、正確なワードを入力しないと適切な検索結果が得られませんでした。TAINSに慣れていない人にとっては、使いにくいところも多かったと思います。

――簡単に検索できないのは、利用者にとって不便ですね。
 その問題を解決するため、TAINS6では、ユーザーが意識せずにTAINSキーワードで検索できるように工夫を凝らしています。まずはプリセット機能です。よく使われるキーワードの3つの組合せをシステム側で事前に用意し、ユーザーに1番目のキーワードから順に選んでもらう仕組みです。1番目の選択により、それに関連する2番目のキーワードの選択肢が変化し、同様に3番目のキーワードも変化します。ユーザーが検索したい内容にたどり着けるように、数多くのキーワードの組合せを用意しています。

――選択するだけなら、不慣れな人も安心して使えますね。
 プリセット機能のほかに、レコメンド機能も搭載しています。これは、ユーザーが検索窓に文字を入力すると、途中からキーワードの候補が現れるものです。もちろん、それらはTAINSキーワードですので、そこから適切なワードを選んで検索することができます。このように、TAINS6では検索機能が大幅に改善されていますので、従来のように正確なワードを入力しなければ結果が得られないという点はかなり解消されたと思います。

――そのほか、どのような機能が改善されましたか。
 外部との横断検索機能を拡充しました。前システムでも、判決・裁決を検索するキーワードにより、税務雑誌の目次を検索する機能はありましたが、それに加えて、提携先である第一法規㈱の税務・会計データベースのほか、国税庁や国税不服審判所のホームページも同時に検索できるようになりました。ただ、第一法規㈱については、コンテンツの一部情報が表示されるのみで、詳細を見るためには、同社データベースのユーザー登録が必要となります。今後は、各出版社とも連携を図っていくほか、雑誌目次検索についても、有償とはなりますが、その場で記事を閲覧できるシステムの構築を検討しています。

――TAINS6の内部情報だけでなく、外部からも関連情報を入手できるわけですね。
 こうした横断検索を充実させることで、ユーザーはより満足度の高い情報を得られると思います。また、そうした有益な情報を外出先や移動中でも確認できるように、TAINS6では、スマートフォンやタブレット端末でも今まで以上に情報が見やすくなっています。

――コンテンツについては、どのような見直しが行われましたか。
 新しいコンテンツとして「要点」を追加しました。従来のTAINSでも、判決・裁決の「概要」を収録していましたが、これは税理士が重要だと思う箇所を判決文などから抜き出して整理したものです。これに対し、新たに追加された「要点」は、税理士が判決をどのように見ているか、すなわち「税理士視点」の切り口で判決・裁決のポイントを400字程度にまとめています。

――「概要」は裁判官の視点、「要点」は税理士の視点というわけですね。
 概要と要点を読み比べていただくと、両者の違いを実感してもらえると思います。また、TAINS6では、これまでのSNS機能を廃止し、「いいね」ボタンを設置しました。判決などを読んで参考になったら「いいね」ボタンを押してもらい、その数が多くなれば、それは注目すべき情報だということがすぐに分かります。まさに税理士の集合知であり、「税理士がつくる」TAINSにふさわしい新機能といえます。

――TAINS6の運用開始にともない制度面も見直されたとお聞きしました。
 多くの方にTAINS6を体験してもらうため、今回「お試し会員」制度を導入しました。簡易な登録をするだけで30日間有効なIDが付与されます。使える機能は一般の会員とほぼ同様ですが、利用できるのは1回限りです。また、お試し会員は税理士であることが前提で、登録時に税理士登録番号の入力が必須となります。そのほか、制度面の見直しとしては、新たに年会費制度を導入しました。TAINSを利用する場合、会費と利用料を合わせて月額2千円、年換算で2万4千円かかりますが、年会費制度を利用すれば、会費・利用料を合わせて2万2千円となります(いずれも消費税率8%の場合)。

――年会費制度を利用すれば、割引料金で利用できるわけですね。
 はい。年会費制度の導入に合わせて、会費・利用料のクレジットカード決済もスタートしました。これまで会費・利用料については、金融機関の口座振替制度を基本としていましたが、クレジットカード決済により、手続きに関連する時間を大幅に短縮することが可能となります。また、従来の規約では、TAINS会員は個人を前提としていましたが、税理士法人も会員として加入できるようになりました。税理士法人が加入する場合は、2ライセンスからの加入として料金設定を行っています。

――最後にメッセージをお願いします。
 TAINS6のリリースは、新しいシステムの運用開始というひとつの大きな区切りといえます。ただ、現時点でも積み残した検討課題がありますので、TAINS6.1、6.2と改善を続け、どこかの段階で7.0にアップグレードすることも考えています。特に、コンテンツの充実には、編集員の増員が欠かせませんので、TAINSを一緒に創っていきたいという方々のご参加をお待ちしています。また、TAINS6の改善において欠かせないのは、何と言ってもユーザーである会員の声です。まずは多くの会員にTAINS6を利用していただき、機能やコンテンツなどについて提案や問題提起をいただきたいと思っています。そして、まだ会員ではない方には、「お試し会員」制度を利用していただき、是非、使いやすくなったTAINS6を体験していただきたいですね。

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