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教えて熊王先生 消費税の落とし穴はココだ!税理士 熊王征秀

券面のない有価証券等を譲渡 内外判定の弊害を解消(平成30年度改正)

2019/02/18

Q.当社(内国法人)は、取引先である外国法人の株式を譲渡しましたが、この外国法人は株券を発行していない非上場の同族法人です。国税庁の質疑応答事例によりますと、株券の発行がない株式を譲渡した場合には、譲渡者の譲渡に係る事務所等の所在地で内外判定をすることになっているようです。そうすると、当社の事務所等の所在地が国内にあることから、外国法人の発行した株式の譲渡であるにも係らず国内取引に該当し、「譲渡対価×5%」を非課税売上高に計上することになるのでしょうか。

A.株券や受益証券などの有価証券はペーパーレス化が進んでおり、上場株式などはそのほとんどが振替機関により管理されています。そこで、振替機関で保護預りとなっている現物株式や、振替機関により管理されている有価証券を譲渡した場合の内外判定は、振替機関の所在地によることとしました(改消令6①九ハ)。

 また、同族法人の株式のように振替機関が取り扱わない有価証券は、その株式等の発行法人の本店、主たる事務所その他これらに準ずるものの所在地で判定することになりました(改消令6①九ニ)。

 この改正は、平成30年4月1日以後の取引について適用されます(平成31年消令附則1、2)。したがって、ご質問の外国株式の譲渡が平成30年4月1日前の場合には「譲渡対価×5%」を非課税売上高に計上する必要があるのに対し、平成30年4月1日以後に譲渡がされた場合には国外取引となりますので、その譲渡対価は課税売上割合の計算にはいっさい関係させません。

(注)外国の機関が取り扱う外国株式は、外国の機関の所在地が国外であることから、改正前も改正後も国外取引に該当することになります。

 国税庁の質疑応答事例にも掲載されているように、改正前は、株券の発行がない株式を譲渡した場合には、譲渡者の譲渡に係る事務所等の所在地で内外判定をすることになっていました。よって、内国法人が券面のない外国法人の株式を譲渡した場合には、外国法人の発行した株式の譲渡であるにも係らず国内取引に該当し、「譲渡対価×5%」を非課税売上高に計上する必要がありましたが、今回の改正により、こういった実務上の弊害が解消されたことになります。 

<用語解説>
〇券面(けんめん)とは?
 金融実務上、商法上の意義の有価証券として、権利を化体する紙片そのものをいう言葉である。商法上の有価証券は券面に権利が付着していることを特徴とするが、いわゆるペーパーレス化(無券面化)により、券面から権利が分離され、権利自体が振替制度を通じて流通するようになった。


〇振替機関とは?
 2009年1月の「株券電子化」以後、国内のすべての上場株式は、「株式等振替制度」の下で管理されるようになった。この制度では、株主としての権利を、「ほふり」や証券会社等の振替機関に開設された口座で、電子的な記録として管理しており、株主としての権利の移転(証券決済)も、その残高記録の増減により行われている。


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