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税務ニュースTaxation Business News

令和2年度税制改正 納税環境整備をチェック

2020/02/17

〈電子帳簿保存制度の見直し〉
 電子請求書や各種決済データを経理に活用すれば、取引先との間でも社内他部署との間でも書面の授受を行う必要はなくなり、それらのデータが電子帳簿と連携すれば、記帳の正確性を確保する観点からも有益です。
 こうした利点を踏まえ、請求書等の電子化を推進し、企業等の生産性向上を後押しする観点から、電子的に受け取った請求書等をデータのまま保存する場合の要件について、ユーザーが自由にデータを改変できないシステム等を利用している場合には、タイムスタンプの付与を不要とするなど、選択肢が拡大されます。

〈地方税共通納税システムの対象税目の拡大〉
 地方税務手続において、ICTの活用等を通じ、納税者利便の向上や事業者等の事務負担軽減に取り組む上で、eLTAX(地方税のオンライン手続のためのシステム)の機能を拡充しつつ、その活用を積極的に進めていくことが重要です。令和元年10月にeLTAXの機能の一つとして導入された地方税共通納税システムの対象税目について、新たに個人住民税の利子割・配当割・株式等譲渡所得割を対象とし、金融機関等の特別徴収義務者がeLTAXを通じて電子で申告及び納人を行うことができるよう、所要の措置が講じられます。

〈国外財産調書制度等の見直し〉
 適正な課税のためには、税務調査を通じた的確な事実認定が不可欠です。一方、国外において行われた取引等については、執行管轄権の制約上、税務当局が直接現地に赴いて事実関係を確認することが困難であるため、納税者による適切な情報開示を促す観点から、国外財産調書制度について、税務調査において納税者が必要な資料を提示・提出しない場合は加算税が加重されることになりました。
 また、国外で行われた取引等について、納税者が必要な資料を提示・提出せず、税務当局が外国税務当局に対して情報交換要請を行った場合には、除斥期間にかかわらず、当該要請から3年間は更正・決定できることになります。

〈利子税・還付加算金等の割合の引下げ〉
 市中金利の実勢を踏まえ、利子税・還付加算金等の割合が引き下げられます(現行:貸出約定平均金利+1 見直し:貸出約定平均金利+0.5%)。

アドバイザー/中島孝一 税理士

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